ぐるぐるカードと人間観察マゾ

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とある、高層のホテルに彼は居た。
カーテンを開けると、窓から美しい庭園がみえる。
私は初対面である彼を観察する。
まずは外見。
髪を小奇麗に整え、仕立てのよいスーツに身を包み
清涼感のある香りを漂わせている。
ひとつひとつ、よく考えたうえでの発言。
独特のペース。
それから、指が美しい。
男性によくあるようなゴツゴツとしたそれではなく
しなやかな指先。でも、骨は男性的で強いような。

そんな彼は、
「ボクは女王様とお話ししているだけでもいいのです。」
と、言う。
物静かに、だけれど自分の言葉で話そうと
適切な言葉を見つける彼。
私は、じっと彼に耳を傾けていた。
そんな彼が突然、こう言う。

「じつは、彩月さんやっていただきたいものがあるのです。」

彼はおもむろにスーツの内ポケットをまさぐると、
トランプのようなカードケースを取り出すではないか。
そこにはこう書かれてあった。

「ぐるぐるカード」。

私は予想していなかった展開に、しばし固まる。
こんな切り込みをしてくる人は初めてだったから。

なんぞ?

という言葉が何度も脳を巡るが、あくまで表情はにこやかに。
(今にもウサギに変身しそう。)

「これは心理ゲームみたいなものです。このカードで
彩月さんの性格がわかるのです。」

そう言って25枚ほどあるカードを広げる。

どうやらよく聞いてみると、彼は「人間そのもの」に興味がある様子。
そういう意味では私と一緒なのでしょうが。

私は
ポーカーフェイスで、何でも自分で決めるタイプで
オープンマインドらしい。

反対に
素直で従順ではないらしい。

そんなワケで、
いつもは私がM男性を「解体」するのですが
今日は私が「解体」されちゃいましたよ。

「あなたはいったい、どういう人なの?」

っていつもは「突っ込む」方だけど、
反対に「突っ込まれる」と、ニガテなんだな~

だってなんだか、自分のことを聞かれるのはテレくさい。