(注・この投稿は2017年5月17日に下書きされた未公開投稿です。)
いつも私に怒られたりびんたされたり説教されにくる
山下ぽち(仮名)。
そんな彼が今日はとくに怒られたいのだと言う。
どうしたのかと聞くと会社で部下を指導する立場になり
叱らなければならない機会が増え
それがマゾであるポチにとっては血のにじむほどの苦痛なのだとか
一見コワモテの顔であるだけに、だれもぽちのマゾマゾしいすがた
などぜったいに想像しないであろう。
そんなこんなしているうちに、ぽちはストレスから「円形はげ」に
なってしまった。「えっ!そんなことで?!」
私はくたびれ果てたぽちの痛々しいすがたに、びっくりしてしまった。
私は(理不尽に)怒ったり、怒鳴りつけたりは毎日しているから
それがストレスなんて、まったく理解できない。
人間、なにがストレスになるかなんてわからないわね。
こういう問題、よく聞くのだけれど、今までの私はこう答えていた。
逃げているばかりじゃいけないわよね。
目の前にある問題は、あなたの試練なんだから。
目の前にある小さな問題も解決できないのだったら
これから先にある大切な問題もきっと解決などできないんじゃ
ないかしら。
逃げたりはぐらかしたりしても、結局自分で解決する以外ないのよね。
自分の尻は自分で叩いて進みなさいよ、
と。
なぜこう言っていたのかというと、私がそうしてきたから。
今はちょっと違う。
円形はげができるくらい嫌なら、今すぐやめちまいなさいよ。
と今は思う。
死ぬほど嫌なんだったら、逃げたっていいんじゃないかしら。
別の道なんて、沢山あるしね。
実際、時間が解決してくれることが多いしね。
悩みなんて、ひとつ悩めばまた新たにもうひとつできるわよ。
悩んで苦しんでいるときこそ、楽しんで経験することが
大切なんじゃないかしら。
きれいごとじゃないわよ。
一生懸命生きることって、大切だけれど一生懸命しゃかりきに
なりすぎてもよくないわよね。
どしゃぶりの中でも立ち止まって景色を眺めてみる
という余裕は人生の中で大切なんじゃないかしら。
山下ぽちって名前はあからさまに弱々しいから
朝おきて仕事に行くときは「おれは鬼瓦権蔵だ!」って
暗示をかけたらどうかな?
これ、いいアイディアでしょ。役になりきるの。
そして「鬼瓦権造」になるときは、着る服とかヘアスタイルとか
靴とかアクセサリー、なんでもいいからひとつ決めて
身に着けるの。
そんなことを考えていたら、思い出した。
こち亀の登場人物、本田速人はふだん気の弱い青年なんだけど
バイクに乗ると、ドエスの人格に変わっちゃうんだよね。
本田速人を参考にすればいい。
自分にできない役どころだったら、役になりきるのよ。
叱咤してやりきるのよ。
自分なりに一生懸命やってみて、それでもダメだったら
逃げればいいんじゃないかな。
人生そんなに甘くないわよ。