平家物語 ~白拍子の巻~

仏もむかしは凡夫なり、われらもつひには仏なり。
いづれも仏性具せる身をへだつるのみこそかなしけれ。

「仏様も解脱する前はごく普通の人間だった。
 私たちも最後には死んで仏となる。
 どちらも仏と呼ばれるものだというのに
 なんとその立場に差のあることだろう。」


(動画あり。PCでご覧ください)

平清盛には祇王という愛人がいたのですが、年がたつにつれ
仏御前という女に惚れ込み、祇王は追い出されてしまいます。

ところが翌年、退屈していた仏御前を慰めるため、平清盛は
追放したはずの祇王を呼び出し、踊りを踊ることを強要します。

当時、平清盛に逆らえば殺されてもおかしくない状況だったので
祇王は踊るのですが、そのときの詩が上のもの。
平家物語はこの世の「諸行無常」を描いた話しでですが、
この詩からは祇王の抑えきれぬほどの嘆きが読み取れるのです。

「仏御前も昔はただの人であった。
 私も昔は仏御前のように平清盛の愛を受けていた。
 いずれも変わらないのに、平清盛が片方のみを愛し
 もう片方をないがしろにするのは悲しいことだ。」

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この世のあらゆるものはすべて移ろい行き(諸行無常)、
命あるものは必ず滅びる(是生滅法)。
生じ滅するといった移り変わりが止むとき(生滅滅已)、
人間は迷いの世界から離れた心安らかな悟りの境地を得ることだろう。(寂滅為楽)