貪欲な魂よ!

(この記事は2011年6月30日に下書きされた、未公開投稿です。)

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男はベッドにぐったりしていた。
「こと切れて」から、もう身体のどこも動かないというふうに
シーツに身を沈めている。
私はあかるい洗面台の前で手を洗い、濡れたようなくちびるの
赤いグロスを確認する。
何度か男の顔を見るが、こちらに気づくと恥ずかしそうに顔を伏せる。
まるで、「凌辱された」乙女のようだ。

「今日は、激しいセックスだったね。」とだけ言うと、
そんなこと言わないでください、と顔を男は顔を隠す。

セックスといっても、
“私の膨張した張型で男のアヌスを暴力的にガッツンガッツン”犯すのこと”
がここで言うセックスなのだが
最初服も脱がずに固まっていた彼が、腰を振るまでになるには
さして時間はかからなかった。

それはなんとも卑猥な様子で、言うこと成すこと乱れきっていて、
彼の「心臓」からはだらだら液体が流れだす始末だし、
「奥まで突っ込むと」、まるで私の突起物を離すまいとするように
ぐいぐい腰を押し付けてくるのだ。

私はそのようすをみて、押し殺すように笑った。

彼は去年の年末、結婚の報告をしてきた男だった。
結婚するから、さようなら。
ぼくは幸せな家庭を築きたいので、変態プレーはこれを機に止めるつもりです。
変態プレーよ、さようなら。
何かを振り切るように、さようなら。

そんな男がまた、ここに戻ってきてしまったのだ。

目を潤ませて私を見上げる男の左手に結婚指輪。
私はそれを黒光りするハイヒールで踏みにじり、高らかに笑うのだ。
どこまでも穢れた心臓。貪欲な魂よ!